花を摘む

与謝野晶子

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だれも、だれも、 春の日に 花を摘む。 むらさきの花、 紅い花。 庭で摘む、 野で摘む、 山で摘む。 むらさきの花 紅い花。 わたしも花を 摘むけれど、 淋しいわたしの 摘む花は、 うなだれた花、 泣いた花。 野にも、山にも 見つからぬ 欝金の花や 青い花。 春が来たとて 外へ出ず、 自分の書いた 絵の中と、 自分の作る 歌の中、 其処で摘む、 独りで摘む。 欝金の花や 青い花。

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