〔無題〕(『晶子詩篇全集拾遺』収録・同題第45篇)

与謝野晶子

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このアカシヤの木のもとを わが今日踏みて思ふこと 甘き怖えに似たるかな。 かかる木蔭にそのむかし、 逢はで止まれぬ初恋の 人を待ちたる思ひ出か、 はた、此処に来て、はるばると 見渡す池の秋の水 濃き紫の身に沁むか。

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