わが墓

与謝野晶子

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幸うすき身は、生きながら、 早く一つの墓を持つ。 知るは我れのみ、わが歌を やがて淋しき墓ぞとは。 げにわが歌は墓なれば、 刹那の我れを納れしまゝ、 冷たく暗き過去となり、 未来は永く塞がりぬ。 愛も、望みも、微笑みも、 憂きも、涙も、かなしみも 此処にありしと誰れ知らん、 灰のみ白き墓なれば。 大忘却の奥ふかく 合されて行く安楽の 二なきを知れる我れながら、 時には之をかなしみぬ。

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