紅葉青山水急流
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“Er ist dahin, der s※(ダイエレシス付きU小文字)sse Glaube
An Wesen die mein Traum gebar,
Der rauhen Wirklichkeit zum Raube,
Was einst so sch※(ダイエレシス付きO小文字)n, so g※(ダイエレシス付きO小文字)ttlich war”
――Schiller : Die Ideale.
桐の一葉をさきだてゝ
浮世の空に音づれし
秋は深くもなりにけり。
虫のねほそる秋の野を
染めし昨日の露霜や
萩が花ずりうつろへば
移る錦は夕端山
思入る日に啼く鹿の
紅葉織りなす床の上。
谷間は早く暮行けど
入日の名殘しばとめて
にほふをのへの夕紅葉、
花のあるじにあらねども
山ふところのしら雲に
契るやいかに夜半の宿。
千尋の谷の底深く
流るゝ川のみなもとは
いづく幾重の嶺の雲
玉ちる早瀬浪の音
都の塵に遠ければ
耳を洗はむ人も無く。
雪より白きたれぎぬを
狹山おろしに拂はして
岸にたゝずむかれやたそ
巫山洛川いにしへの
おもわを見する乙女子は
浮世の人か神の子か。
――――――――
かたへにたてる若人の
汀につなぐ舟一葉
浮世の波に漕ぎいづる
名殘は盡きず今更に
分ちかねたる袖の上
涙も露もしげくして。
「清き水面に塵もなき
君はみやまのいさゝ川、
碎け流れて世にいづる
われははかなき落瀧津、
同じひとつの水筋も
別れて遠し本と末。
「高峰の花に誘はれて
分け來し袖も薫りけむ、
紅埋む夕霞
緑糸よる玉柳
深山の奧に君を見れば
武陵の里もこゝなりき。
「八重だつ雲に世をへだて
過しゝ月日いかなりし
横雲わかるしのゝめに
きくは雲雀の春の歌
霞む川邊の夕暮に
訪ふは菫の花の床。
「未來の空のたのしくて
ゑひしもはかな春の夢、
浮世の憂を吹送る
あらしの音に驚けば
ゆふべの雲はあとなくて
野にも山にも秋はきぬ。
「塵のむくろによしなくも
やどる思のなかりせば
今の嘆のあるべしや、
見しよの夢を呼び返す
みそらの風は吹絶て
恨はつくる時ぞなき。
くづをるさまはあらねども
哀れをこむるまなじりに
帶ぶるや露の玉かつら
かしらを垂れて乙女子は――、
「定まる道にすべもなく
深山に君をとゞめ得じ、
定離のためし顧みて
心なしとな恨みぞよ。
「とこよの花のさきにほふ
神の御園を閉されて
かどにたゝずむ罪人に
風吹送る天の樂
泣きてきゝけむいにしへの
ためしをあはれ思はずや。
「いさゝ小舟に棹さして
漕行く末も程遠き
君が船路の楫まくら、
寢覺の月の影さえて
風凄まじき夜な/\は
思ひもいでよ我が里を。
「長き船路の盡きん時
あらきあらしのやまん時
波も霞の礒ちかく
散りくる花のふゞきもて
繋ぐ小舟のとま葺きて
またも逢見ん折をこそ。」
さらばとばかり夕浪も
咽ぶ恨のせゝらぎや
霧たちこむる谷川は
跡見返れどかひぞなき
浮世の秋ももろともに
流れ/\て末遠く。
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