詩人

土井晩翠

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詩人よ君を譬ふれば 戀に醉ひぬるをとめごか あらしのうちに樂を聞き あら野のうちに花を見る。 詩人よ君を譬ふれば 世の罪しらぬをさなごか 口には神の聲ひゞき 目にはみそらの夢やどる。 詩人よ君を譬ふれば 八重の汐路の海原か おもてにあるゝあらしあり 底にひそめるまたまあり。 詩人よ君を譬ふれば 雲に聳ゆる火の山か 星は額にかゞやきて 焔の波ぞ胸に湧く。 詩人よ君を譬ふれば 光すゞしき夕月か 身を天上にとめ置きて 影を下界の塵に寄す。

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