ああ平原のかなたに(九月一日)
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ああ平原のかなたに
夜はまだ明けない
星は霧の中にさざめき
水蒸氣は冷く叢をうるほしてゐる
わが命は濡れて渇くことなく
わが戰ひの旗は肩越しにしをれてゐる
ラツパは夜なかの夢をつづけ
兵隊は闇間に起き伏す草のやうに眠つてゐる
かかる中にわが魂は目醒めて
一線になつてゐる敵を見る
遠い睡つてゐる地平線のさきを見る
葉摺れの中にただひとりめざめて
永遠に醒めてゐる目が一つある
それが敵を見る
睡れる味方と敵の中に
唯ひとりめざめてそれを見る
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