太陽崇拜(八月十一日)

福士幸次郎

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ああ太陽よ 自分は君を愛す 君は一人であつて あらゆるものに超越してゐる あらゆるものを愛してゐて 常に君は孤獨である 君は絶え間もなく自轉してゐる のびちぢみしてゐる そして進んで行く 無限に生れて無限に走つて行く 君の運行する線は 空しいけれども 君はその何もない所を ある如く走つてゐる 君は空しくぶらさがつてゐるのでない 絶えず内から 中心から ぐるぐる力を出してはずんで行くのだ ああ眩しい光を放して 空間から空間へ移つて行く 君よ めげず 出し惜しまず 燃えてゆく 偉大な運行者よ 君はひとりだ しかも萬人を愛してゐる 常に萬物の先きになつて あらゆる暗い影に 君の光をさして行く ああ君こそひとりである 唯だひとりである 自分は君を崇拜する あらゆるものに先立つて運命をひらき 常にひとりであつて とどまる所を知らない 君よ その行く果てを知らない 君よ ああかくの如き運命のなかにあつて めげず力拔けせずたゆみなく行く君よ ゆるみない君よ うちからうちから全面に燃えかがやく君よ なにものも助けなく その出す力で空中に浮び 無限のなかに進みゆく君よ 自分は君を思ふとき ちから湧く 嵐吹き 雨じとじと降り みじめのどん底に沈んでゐる時でも 力湧く 斯くして自分は君を崇拜するのだ 嵐の上に張り充してゐる君の力を感ずるのだ この嵐と鬪うて行く力を感ずるのだ やがてこの嵐を壓倒して行く力を感ずるのだ ああ萬物の先きになつて 常になに物も手をつけない先きにつける君よ 淋しいを淋しいとせずはずんで行く君よ ひとりの君よ 内から光となつて全身ひかり輝く君よ 自分は君を崇拜し君を讃美し 君とわれとの愛を邪魔するあらゆるものを斬り伏せて 踏みこえて 君へ行く ああ、あらゆる人間よ 心ある多くの兄弟よ 彼を崇拜し 彼を讃美して 共々に力合せて進まう 彼を崇拜し 彼を讃美して あらゆる艱難慘苦を踏み越えて進まう あらゆる邪魔一切を切り離して 偉大な彼の正體と 全面と 共々に手をとりあつて生き得る所へ進まう

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