遠い故郷(十一月)

福士幸次郎

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時計はまたも黒い點線を つづくつてゆく 私の夢はあてもなく だまつて空まはりをして その長い低い街をうろつきあるく 商店の屋の棟の間からは 海色の冷たい空が 一とすぢになつて覘いて居る 並木はいつのまにか 葉を落しつくして くろぐろと淋しい枝を張りまはしてゐる 私は心のすみからすみへ嘆息した そして日のありかも知れぬ冬の白い空から 遠い遠い空氣を吸つた 五體にしみる遠い遠い空氣を吸つた

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