友情(十一月)
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ゴールデンバツトを吸ひながら
僕は日の暮れ方の倉庫街を思ひ出した
赤く金をかすつた斷れ雲が
空いつぱいに光つて居る
一群の屋根草は同じ色に染つて光つてゐる
河沿ひの倉庫は一列になつて
掘割りの水深く落ちてゐる
その水はいつも流れず
いつも淀まず
むねもあらはにさらけ出して
冷たい嘆きをうつしてゐる
僕はそのあと二た月の間
死身になつて心を鞭つた
襲ひくる薄はだの寒さに
つねに氷のゆめをつくつた
日陰の鳥は羽ばたきして
つらい牢屋のゆめをつくつた
今こそ僕の肉體は
惡熱を病んで居る
肌身はなさず或る人の肉體を
つねに戀ひしたうて慄へてゐる
常にせぐりあげる慕ひ泣く聲を
肌に耳あてて聞いてゐる
ここにまことの愛があつた
いつも流れず
いつも淀まず
むねもあらはにさらけ出して
互に惡熱にふれあふ愛があつた
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