月蝕皆既
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みなそこに魚の哀傷、
われに涙のいちじるく、
きみはきみとて、
ましろき乳房をぬらさむとする。
この日ごろつかふことなく、
ひさしくわれら靈智にひたる、
すでに長き祈祷ををへ、
いまみれば月も皆既なり、
魚の性はせんちめんたる、
みよ、うみはみどりをたたへ、
肉青らみ、
いんいんとして二人あひ抱く、
齒と齒と合し、
手は手をつがひ、
もつれつつからまりにつつ、
いんよくきはまり、
魚の浪におよぎて、
よるの海に青き死の光れるをみる。
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