監獄裏の林

萩原朔太郎

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監獄裏の林に入れば 囀鳥高きにしば鳴けり。 いかんぞ我れの思ふこと ひとり叛きて歩める道を 寂しき友にも告げざらんや。 河原に冬の枯草もえ 重たき石を運ぶ囚人等 みな憎さげに我れを見て過ぎ行けり。 暗鬱なる思想かな われの破れたる服を裂きすて 獸類のごとくに悲しまむ。 ああ季節に遲く 上州の空の烈風に寒きは何ぞや。 まばらに殘る林の中に 看守の居て 劍柄の低く鳴るを聽けり。 ――郷土望景詩――

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