公園の椅子

萩原朔太郎

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人氣なき公園の椅子にもたれて われの思ふことはけふもまた烈しきなり。 いかなれば故郷のひとのわれに辛く かなしきすももの核を噛まむとするぞ。 遠き越後の山に雪の光りて 麥もまたひとの怒りにふるへをののくか。 われを嘲けりわらふ聲は野山にみち 苦しみの叫びは心臟を破裂せり。 かくばかり つれなきものへの執着をされ。 ああ生れたる故郷の土を蹈み去れよ。 われは指にするどく研げるナイフをもち 葉櫻のころ さびしき椅子に「復讐」の文字を刻みたり。 「前橋市街之圖」のキャプション付きの図 前橋市街之圖

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