極光地方から

萩原朔太郎

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 海豹のやうに、極光の見える氷の上で、ぼんやりと「自分を忘れて」坐つてゐたい。そこに時劫がすぎ去つて行く。晝夜のない極光地方の、いつも暮れ方のやうな光線が、鈍く悲しげに幽滅するところ。ああその遠い北極圈の氷の上で、ぼんやりと海豹のやうに坐つて居たい。永遠に、永遠に、自分を忘れて、思惟のほの暗い海に浮ぶ、一つの侘しい幻象を眺めて居たいのです。

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