見えない兇賊

萩原朔太郎

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兩手に兇器 ふくめんの兇賊 往來にのさばりかへつて 木の葉のやうに ふるへてゐる奴。 いつしよけんめいでみつめてゐる みつめてゐるなにものかを だがかはいさうに 奴め 背後に氣がつかない、 背後には未知の犯罪 もうもうとしてゐる黒の板塀。 夜目にも光る 白銀の服を着こんだ奴 この奇體な それでゐて みたものもない片目の兇賊。

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