天路巡歴

萩原朔太郎

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おれはかんがへる おれの長い歴史から なにをして來たか なにを學問したか なにを見て來たか。 いつさいは祕密だ だがなんて青い顏をした奴らだ おれの腕にぶらさがつて 蛇のやうにつるんでゐた奴らだ おれは決して忘れない おれの長い歴史から あいつらは 死よりも恐ろしい祕密だ。 おれはかんがへる そのときまるであいつらの眼が おれの手くびにくつついてゐたことを おれの胴體に のぞきめがねを仕掛けた奴らだ おれをひつぱたく おれの力は 馬車馬のやうにひつぱたく。 そしてだんだんと おれは天路を巡歴した 異樣な話だが おれはじつさい 獨身者であつた。

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