夜汽車の窓で

萩原朔太郎

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 夜汽車の中で、電燈は暗く、沈鬱した空氣の中で、人人は深い眠りに落ちてゐる。一人起きて窓をひらけば、夜風はつめたく肌にふれ、闇夜の暗黒な野原を飛ぶ、しきりに飛ぶ火蟲をみる。ああこの眞つ暗な恐ろしい景色を貫通する! 深夜の轟轟といふ響の中で、いづこへ、いづこへ、私の夜汽車は行かうとするのか。

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