憂鬱な風景
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猫のやうに憂鬱な景色である
さびしい風船はまつすぐに昇つてゆき
りんねるを着た人物がちらちらと居るではないか。
もうとつくにながい間
だれもこんな波止場を思つてみやしない。
さうして荷揚げ機械のばうぜんとしてゐる海角から
いろいろさまざまな生物意識が消えて行つた。
そのうへ帆船には綿が積まれて
それが沖の方でむくむくと考へこんでゐるではないか。
なんと言ひやうもない
身の毛もよだち ぞつとするやうな思ひ出ばかりだ。
ああ神よ もうとりかへすすべもない
さうしてこんなむしばんだ囘想から いつも幼な兒のやうに泣いて居よう。
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