酸漿
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ほほづきの実に雨はばらばらと降りはじめ、ほほづきの葉蔭の薄闇に一疋の蚊の声は消えのこる。ほほづきの実は薄闇のなかにて、いよいよ熟れ、枝こそたはめ、ほほづきは今不思議な唸りを放ちて、地面に接れ、殆ど生ける唇と化した。この時天の一隅にさつと緑の閃きが走る。まこと厳しき眼球は光る。
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