彷徨
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私はとぼとぼと生れ故郷の公園を歩いて行つた。颱風の余波があつて、空はしんと青かつた。十月の午後の光はいらだたしい植物の葉に触れてゐた。……私は十余年前、銭村五郎とよく訪れた神社の庭に踏込んでゐた。萩の花が咲いてゐた。後の山の松は一つ一つ揺れてゐた。しんかんとして誰もゐさうにない庭に、私は死んだ友達を持つてゐた。むしろ私の方が死んでるやうな気さへする。急に犬の吠える声が耳についた。玩具ほどの仔犬が今私をとがめて吠えて来るのだつた。
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