青い図面

逸見猶吉

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A 俺が窓をあけると貴様は階段を馳けおりた 太陽は起重機の下でぼろぼろに錆びてしまつた 電流の作用で群集の額はたちまち蒼褪めていつた 意識の内部に赤い盲腸が氾濫した くづれた街角に走つて貴様は誰かをしきりに呼んだ 俺はあをい図面を手にして窓をかたく閉ぢた 何処かで銃声が一発した B 俺が酒場で考へて居ると貴様は鏡をぶちこはした 壁のむかうから太い首が横暴な主張をどなりだした 往来には無数の寝台が獣のやうに流されていつた 俺と貴様は恐ろしい方角に向つて微笑した 並木のはてで無用の情人と別れた影はすでに消えた ああ 歪める建築の背後にひそむ現実 とほく運河をすべる秋の惨忍な表情を抹殺せよ

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