啄木鳥

石川啄木

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いにしへ聖者が雅典の森に撞きし、 光ぞ絶えせぬみ空の『愛の火』もて 鋳にたる巨鐘、無窮のその声をぞ 染めなす『緑』よ、げにこそ霊の住家。 聞け、今、巷に喘げる塵の疾風 よせ来て、若やぐ生命の森の精の 聖きを攻むやと、終日、啄木鳥、 巡りて警告夏樹の髄にきざむ。 往きしは三千年、永劫猶すすみて つきざる『時』の箭、無象の白羽の跡 追ひ行く不滅の教よ。――プラトオ、汝が 浄きを高きを天路の栄と云ひし 霊をぞ守りて、この森不断の糧、 奇かるつとめを小さき鳥のすなる。

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