夏の街の恐怖

石川啄木

タグを編集・提案

作品の主題・モチーフなど、対象に固有の情報を登録してください。年代・形式・表記・文学運動などの共通分類は登録できません。会員タグの追加と、正式タグの削除は、5人の支持で自動反映されます。

ログインするとタグの追加・削除を提案できます。

焼けつくやうな夏の日の下に おびえてぎらつく軌条の心。 母親の居睡りの膝から辷り下りて、 肥った三歳ばかりの男の児が ちょこちょこと電車線路へ歩いて行く。 八百屋の店には萎えた野菜。 病院の窓の窓掛は垂れて動かず。 閉された幼稚園の鉄の門の下には 耳の長い白犬が寝そべり、 すベて、限りもない明るさの中に どこともなく、芥子の花が死落ち、 生木の棺に裂罅の入る夏の空気のなやましさ。 病身の氷屋の女房が岡持を持ち、 骨折れた蝙蝠傘をさしかけて門を出れば、 横町の下宿から出て進み来る、 夏の恐怖に物言はぬ脚気患者の葬りの列。 それを見て辻の巡査は出かかった欠呻噛みしめ、 白犬は思ふさまのびをして、 塵溜の蔭に行く。

ログインすると、この作品に自分だけに見えるメモを残せます。

批評・感想 0

作品の表現や構成を検討し、根拠を示しながら評価・講評する場所です。

まだ批評・講評はありません。

夏の街の恐怖の談話

疑問や連想、ちょっとした読み方などを気軽に話せます。

まだ投稿はありません。

話題を投稿する

夏の街の恐怖に寄せられた作品

詩から生まれた翻案・イラストや、朗読・解説などの関連リンクを持ち寄れます。

まだ投稿はありません。

この詩に作品を寄せる