起きるな
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西日をうけて熱くなった
埃だらけの窓の硝子よりも
まだ味気ない生命がある。
正体もなく考へに疲れきって、
汗を流し、いびきをかいて昼寝してゐる
まだ若い男の口からは黄色い歯が見え、
硝子越しの夏の日が毛脛を照し、
その上に蚤が這ひあがる。
起きるな、超きるな、日の暮れるまで。
そなたの一生に冷しい静かな夕ぐれの来るまで。
何処かで艶いた女の笑ひ声。
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