小鳥

蒲原有明

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眞白き霜の曉に 香もなき枇杷の花に來て、 小鳥かなしきまなざしは うすき日かげにただよへり。 小鳥よ、いましものうげに 鳴くは羽がひの冷ゆるとや、 冬かくまでにうら寂びて なさけの園は遠しとや。 雪雲とぢて風冴えぬ、―― 鳴くねあはれのおとろへに、 よろこびかつてあかざりし ふしの華やぎ聽きわかず。 宴樂の海も時來れば 醉の潮の落つる間を、 干潟に拾ふうつせがひ その盞を誰か汲む。 女神手をとり野に引くと ゆめみてさめし曉に、 などその夢のたのしくて、 この鳴く聲の悲しきや。 わが夢の門にさまよひて 香もなき枇杷の花を啄み、 氷雨のうつにまかせては 傷ましきかな汝が姿。

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