赤き花の魔睡
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日は真昼、ものあたたかに光素の
波動は甘く、また、緩るく、戸に照りかへす、
その濁る硝子のなかに音もなく、
𠹭囉仿謨の香ぞ滴る……毒の譃言……
遠くきく、電車のきしり……
………棄てられし水薬のゆめ……
やはらかき猫の柔毛と、蹠の
ふくらのしろみ悩ましく過ぎゆく時よ。
窓の下、生の痛苦に只赤く戦ぎえたてぬ草の花
亜鉛の管の
湿りたる筧のすそに……いまし魔睡す……
四十一年十二月
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