月光の谿
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夜の月映に流るるは
すずしき秋の縹雲。
(月こそ神よ、
まどかにて。)
ひまらや杉の葉は繊く、
とすればそよぐそのこずゑ。
(月こそ神よ、
まどかにて。)
現ならぬか、観るものの
青みやすらふ寂びと光沢。
(月こそ神よ、
まどかにて。)
灯あしの蕊の黄に燃えて、
みながら湿る谿の戸や。
(月こそ神よ、
まどかにて。)
童よねむれ。虫の音の
降るかにすだくやはらぎを。
(月こそ神よ、
まどかにて。)
湧き来る狭霧、むらさきの
地球はかをる、土の息。
(月こそ神よ、
まどかにて。)
かの月映に流るるは
豊けき秋の縹雲。
(月こそ神よ、
まどかにて。)
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