紅玉
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かかるとき、
海ゆく船に
まどはしの人魚か蹤ける。
美くしき術の夕に、
まどろみの香油したたり、
こころまた
けぶるともなく、
幻の黒髪きたり、
夜のごとも
わが眼蔽へり。
そことなく
おほくのひとの
あえかなるかたらひおぼえ、
われはただひしと凝視めぬ。
夢ふかき黒髪の奥
朱に喘ぐ
紅玉ひとつ、
これや、わが胸より落つる
わかき血の
燃る滴。
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