くろんぼ
本文の表示
くろんぼのまだうらわかい母親は
くろんぼの嬰兒の圓い頭を撫でさすり、
乳をのませ、
滑るその手もしなやかに黒い頭を撫でさする。
長崎の異人屋敷の棕梠の花、
カステラ色の棕梠の花。
その日あたりに足投げいだし、
ものおもふくろんぼに抱かるる
くろんぼの兒よ。
くろんぼの兒は乳をのみ、
頭をなんとなく撫でらるる快さに
靜こころなくつく呼吸の、
出で入る呼吸の、
光澤のある母の皮膚を、
なめらかなその胸を
また滑らかに撫でかへす…………
夏の午過ぎ、ついちろちろと鳥のこゑ、
水平線のかがやきは銀を流して一線に。
母親の夢は何をおもふ。
無心に乳をのむくろんぼの
その兒の、
黒い手のひらに握られて、
しめやかに匍ひいづる
首の赤い一匹の、その螢……………
ログインすると、お気に入り登録や選集への追加ができます。
ログインすると、この作品に自分だけに見えるメモを残せます。
くろんぼの談話
疑問や連想、ちょっとした読み方などを気軽に話せます。
まだ投稿はありません。
くろんぼに寄せられた作品
詩から生まれた翻案・イラストや、朗読・解説などの関連リンクを持ち寄れます。
まだ投稿はありません。
批評・感想 0
作品の表現や構成を検討し、根拠を示しながら評価・講評する場所です。
まだ批評・講評はありません。
ログインすると批評・講評を書けます。