兄弟

北原白秋

タグを編集・提案

作品の主題・モチーフなど、対象に固有の情報を登録してください。年代・形式・表記・文学運動などの共通分類は登録できません。会員タグの追加と、正式タグの削除は、5人の支持で自動反映されます。

ログインするとタグの追加・削除を提案できます。

われらが素肌のさみしさよ、 細葱の青き畑に、 きりぎりすの鳴く眞晝に。 金いろの陽は 匍ひありく弟の胸掛にてりかへし、 そが兄の銀の小笛にてりかへし、 護謨人形の鼻の尖りに彈ねかへる。 二人が眼に映るもの、 いまだ酸ゆき梅の果、 土龍のみち、 晝の幽靈。 素肌にあそぶさびしさよ、 冷めたき足の爪さきに畑の土は新らしく、 金の光は絶間なく鐵琴のごと彈ねかへる。 かくて哀しき同胞は 同じ血脈のかなしみのつき纒ふにか、呪ふにか、 離れんとしつ、戲れつ………… みどり兒は怖々と、あちら向きつつ蟲を彈ね、 兄は眞青の葱のさきしんと眺めて、唇あてて 何かえわかぬ晝の曲、 ひとり寥しく笛を吹く、銀の笛吹く、笛を吹く。

ログインすると、この作品に自分だけに見えるメモを残せます。

批評・感想 0

作品の表現や構成を検討し、根拠を示しながら評価・講評する場所です。

まだ批評・講評はありません。

兄弟の談話

疑問や連想、ちょっとした読み方などを気軽に話せます。

まだ投稿はありません。

話題を投稿する

兄弟に寄せられた作品

詩から生まれた翻案・イラストや、朗読・解説などの関連リンクを持ち寄れます。

まだ投稿はありません。

この詩に作品を寄せる