兄弟
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われらが素肌のさみしさよ、
細葱の青き畑に、
きりぎりすの鳴く眞晝に。
金いろの陽は
匍ひありく弟の胸掛にてりかへし、
そが兄の銀の小笛にてりかへし、
護謨人形の鼻の尖りに彈ねかへる。
二人が眼に映るもの、
いまだ酸ゆき梅の果、
土龍のみち、
晝の幽靈。
素肌にあそぶさびしさよ、
冷めたき足の爪さきに畑の土は新らしく、
金の光は絶間なく鐵琴のごと彈ねかへる。
かくて哀しき同胞は
同じ血脈のかなしみのつき纒ふにか、呪ふにか、
離れんとしつ、戲れつ…………
みどり兒は怖々と、あちら向きつつ蟲を彈ね、
兄は眞青の葱のさきしんと眺めて、唇あてて
何かえわかぬ晝の曲、
ひとり寥しく笛を吹く、銀の笛吹く、笛を吹く。
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