北原白秋

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ひと日なり、夏の朝凉、 濁酒賣る家の爺と その爺の車に乘りて、 市場へと。――途にねむりぬ。 山の街、――珍ら物見の 子ごころも夢にわすれぬ。 さなり、また、玉名少女が ゆきずりの笑も知らじな。 その歸さ、木々のみどりに 眼醒むれば、鶯啼けり。 山路なり、ふと掌に見しは 梨なりき。清しかりし日。

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