二人
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夏の日の午後…………
瓦には紫の
薊ひとりかゞやき、
そことなしに雲が浮ぶ。
酒倉の壁は
二階の女部屋にてりかへし、
痛いやうに針が動く、
印度更紗のざくろの實。
暑い日だつた。
默つて縫ふ女の髮が、
その汗が、溜息が、
奇異な切なさが…………
惱ましいひるすぎ、
人形の首はころがり、
黒い蝶の斷れた翅、
その粉の光る美くしさ、怪しさ。
たつた二人、…………
何か知らぬこころに
九歳の兒が顫へて
そつと閉めた部屋の戸。
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