ペンギン

北原白秋

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見知らぬ海と空とに 鳴いてゐる、鳴いてゐる、ペンギン、 なにを鳴くのか、ペンギン、 光と陰影の申子。 冷たい氷のうへから 歌ふてくるペンギン、 なにを慕ふのか、ペンギン、 寂しい空のこころに。 おそれも悔もない気ぶりで、 あるいてくる、ペンギン、 なにが楽しいのか、ペンギン、 大勢あつまつて、のんきに。 紺と白との燕尾服で、 ものおもふペンギン、 なにが悲しいのか、小意気な わかい紳士のペンギン。 さらさら悲しい様子も、 うれしさうにもない、ペンギン、 なにを慕ふのか、ペンギン、 幽かな空の光に。 四十五年五月

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