驢馬の列

北原白秋

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驢馬の列ぞ街をゆく。 見よ、のろのろの練足に、 鼻も眼もなきひとやから 載せて、うなだれ、呻びたる。 驢馬の列ぞ街を行く。 鳴くは通草の変化らか、 また、耳もなきひとやから 口のみあかくただれたる。 驢馬の列ぞ街をゆく。 あはれ、終日、手さぐりに 生灰色の怪のやから、 のへらのへらと鞭ふれる。 驢馬の列ぞ街をゆく。 もとより、人の身ならねば、 色もにほひも歌ごゑも 嗅ぐすべはなし、罵れる。 驢馬の列ぞ街をゆく。 ただ戸に咲ける罌粟ひとつ 知らえぬ汝等、いかで、さは 深き館の内心を。 驢馬の列ぞ街をゆく。 すでに罵る汝が敵は 白馬に抱く火の被衣 千里かなたのくちつけに。

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