小兒と娘

北原白秋

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小兒ごころのあやしさは 白い小猫の爪かいな。 晝はひねもす、乳酪の匙にまみれて、飛び超えて、 卓子の上、椅子の上、ちんからころりと騷げども、騷げども、 流石、寢室に瓦斯の火のシンと鳴る夜は氣が滅入ろ… いつか殺したいたいけな青い小鳥の翅の音。 娘ごころのあやしさは もうせんごけの花かいな。 いつもほのかに薄着してしんぞいとしう見ゆれども、 晝が晝なか、大それた強い魔藥に他こそ知らね、 赤い火のよな針のわな千々に顫えて蟲を捕る、蟲を捕る。 なんぼなんでも殺生な、夜は夜とてくらやみに。

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