ためいき

北原白秋

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今しがた、夜会ははてぬ。 花瓦斯のほそきなげきに 絹帷紅き天鵝絨、 散り藉ける花束のくづ、 おぼろげに室は青みて、 うらわかき騎士が拍車の 音の乱れ、舞の足ぶみ、 頬のほてり、かろきさざめき、 髪あぶら、あはれ、楽声、 あたたかに交りみだれて ゆめのごと燻りただよふ。 そのなかに、水のつめたさ ちらぼひぬ、これや、一夜を 伴もなく青みしなへし 女子がわかきためいき。

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