天王寺の朝涼

北原白秋

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朴の木に白き花群れ、 塔はあり、ひむがしの方。 月落ちて、吹きはらふもの、 まさしくも風は夏なり。 波だつや、空の朝涼、 抛物線、小鳥飛ぶ、飛ぶ。 紅くすむ扇骨木いけがき、 刈りそめてなんぞすがしき。 露はあり、石に音して、 しかもこは幽世ならず。 愚かなり、死にし、幽けき。 げに、現、生くるに如かず。 朴の木に白き花群れ、 鐘が鳴る。鐘が鳴るなり。

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