わかき喇叭
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苦しげに喇叭吹く息、
苦しげに喇叭吹く息、
汝はゆきていづくにかへる。
心臓のあかきくるめき
そを洩れて吹きいづるなる。
なやましき霊のひとすぢ
いと冷やき水の音色に。
毒ふかき邪欲の谷に
淫楽の蝮まとふ、
はたや身は痺れとろけて
断ちがたきほだしに悩む。
狂念のめくらむ野辺ゆ
挑み搏つ硫黄の炎、
また苦き檻のおびえに
くれなゐの破滅をさそふ。
さまだるる恋慕のあへぎ
蒸しよどみ、かくてなやめど
われは吹く、息もほつほつ
うらわかき霊の喇叭を。
かげ暗き恐怖の垂葉
そのなかに赤き実熟るる。
わが夢はあなその空に
濡れつつも燃ゆる悲愁。
濡れつつも燃ゆるかなしみ
そが犠牲に吹きいづるなる。
かぎりなき生命の苦痛
かぎりある胸の力に。
あはれ、なほ、喇叭吹く息、
あはれ、なほ、喇叭吹く息、
汝はゆきていづくにかへる。
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