露のいのち
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待ちやれ待ちやれ、その手は元へもどしやんせ。無殘な事をなされまい。その手の指の先にても、これこの露にさはるなら、たちまち零ちて消えますぞえ。
吹けば散る、散るこそ花の生命とは悟つたやうな人の言ひごと。この露は何とせう。咲きもせず散りもせず。ゆふべむすんでけさは消る。
草の葉末に唯だひとよ。かりのふしどをたのみても。さて美い夢一つ、見るでもなし。野ざらしの風颯々と。吹きわたるなかに何がたのしくて。
結びし前はいかなりし。消えての後はいかならむ。ゆふべとけさのこの間も。うれひの種となりしかや。待ちやれと言つたはあやまち。とく/\消してたまはれや。
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