八十八夜

高祖保

タグを編集・提案

作品の主題・モチーフなど、対象に固有の情報を登録してください。年代・形式・表記・文学運動などの共通分類は登録できません。会員タグの追加と、正式タグの削除は、5人の支持で自動反映されます。

ログインするとタグの追加・削除を提案できます。

寝いり端の小耳に 蚊ひとつ ぷぅんと鳴きついて 哀れつぽく訴へでる かた手間に 「歳時記」をのぞいてみる 「農家 耕ヲ首ム  立春ヨリ八十八日 マタ春霜ヲ置カズ  茶摘ミハ真盛リ 養蚕ハ初眠ノ頃」 ゆふ窓におく 手燭ほどの月あかり そのなかに小粉団の匂ひ または むやみと 幟の滑車の から鳴り 遠音に きりり 近郊電車のせつかちな軋りかた… ぱらぱらと 夜かぜがきて 卓子の辞書をめくる すると「Candlemas」と出た 聖燭節 さうさう 二月二日 ちらちら 粉雪 しばたたく燭台の燭と 祈祷のこゑと それに(映写幕のうへの マリア・シヤプドレェヌの雪) それらがさつと掠めて 遽かに 夜冷えがくる 脳の芯に白つぽいものが いつぱい 蚊の哀訴 それもすでに止んだ ときあつて風がもつてくる ――夜学の咿唔の尾が ひとすぢ 微睡の耳にじやれつくだけ。

ログインすると、この作品に自分だけに見えるメモを残せます。

批評・感想 0

作品の表現や構成を検討し、根拠を示しながら評価・講評する場所です。

まだ批評・講評はありません。

八十八夜の談話

疑問や連想、ちょっとした読み方などを気軽に話せます。

まだ投稿はありません。

話題を投稿する

八十八夜に寄せられた作品

詩から生まれた翻案・イラストや、朗読・解説などの関連リンクを持ち寄れます。

まだ投稿はありません。

この詩に作品を寄せる