雨の歌

三木露風

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靜かなる心の上に やはらかに落つるひびき 雨の音こそはなつかしけれ. つくづくと聽き入れば 雨のひびき そはさながら白き額寄せかけ はづかしき彼の女の泣くに似たり。 また幽かなる時 破れゆく悲しみ、 新にふりそそぐ時 溺るるうれひ。 われ、 いとも戀しき園をあゆみ ある日夢みし綠の木かげよ、 美しき薔薇はなやみ、 徑は廢れ、 脆き涙にみちて 階段はくづされたり。 わが白き、 若き、 雨のひびきよ、 いたましく希望は濡れ かがやきは彼處に埋れぬ! あ〓、 さらにもまたふり濺ぐ憂のしらべ ききをれば切にも戀し、 夢のごと心の上に 泣き沈む夜の雨を····

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