台地

宮沢賢治

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一九二八、四、一二、 日が白かったあひだ、 赤渋を載せたり草の生えたりした、 一枚一枚の田をわたり まがりくねった畔から水路、 沖積の低みをめぐりあるいて、 声もかれ眼もぼうとして いまこの台地にのぼってくれば 紺青の山脈は遠く 松の梢は夕陽にゆらぐ あゝ排水や鉄のゲル 地形日照酸性度 立地因子は青ざめて つかれのなかに乱れて消え しづかにわたくしのうしろを来る 今日の二人の先達は この国の古い神々の その二はしらのすがたをつくる 今日は日のなかでしばし高雅の神であり あしたは青い山羊となり あるとき歪んだ修羅となる しかもいま 松は風に鳴り、 その針は陽にそよぐとき その十字路のわかれの場所で 衷心この人を礼拝する 何がそのことをさまたげようか

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