〔最も親しき友らにさへこれを秘して〕

宮沢賢治

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最も親しき友らにさへこれを秘して ふたゝびひとりわがあへぎ悩めるに 不純の想を包みて病を問ふと名をかりて あるべきならぬなが夢の   (まことにあらぬ夢なれや    われに属する財はなく    わが身は病と戦ひつ    辛く業をばなしけるを) あらゆる詐術の成らざりしより 我を呪ひて殺さんとするか 然らば記せよ 女と思ひて今日までは許しても来つれ 今や生くるも死するも なんぢが曲意非礼を忘れじ もしなほなれに 一分反省の心あらば ふたゝびわが名を人に言はず たゞひたすらにかの大曼荼羅のおん前にして この野の福祉を祈りつゝ なべてこの野にたつきせん 名なきをみなのあらんごと こゝろすなほに生きよかし

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