對座

三吉良太郎

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彼女は紺がすりの衣裳をまとつてゐる。 掌は日光を通して羞み 肩の下で、 砂丘も海裳もふるえ 片隅の光線にのつて二人 音響のない飛行を續けて 考へてゐる。 (紺がすりの衣裳の少女) プラリプラリ柳の蔭で仙人掌の花が赭く、 サロンの午睡には凉しい氣流とメロンエキスの凉しい對座、 遠くに居て頭文字だけが眞面目な反語を語りあふ。 アダジエツトは陽炎の囁きでせうか。 そう、 發酵素を信奉する髪座は私、 野すみれの嘆きは透明な姿體の胸にからみ、 そう、 いつからとなく畫く奇績です。 小さなアルバムを抱いて二十才の面影が 貝殼のやうに蒼穹ヘポツカリと飛んでゆく。 對 座 壺の、 そこにも陽の透る虹がうき、 どこまでも續き、 遠く連り、 虹には影があり、 光の輪となつて泣けない朗かさ。 赤いダリアの一輪 その花も壺の水に抛つて 淋しい虛像となつた二人、 陽の下に流れ、 淀み そして、 いつまでも 私と彼女は向ひ合つたまゝである。 (別 れ)

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