秋風裡
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露くさのつゆもまだひず
粟の穗のたり穗は二つ
おもたげにしだるるかげを
つとばかり走りいでしが
もろ羽掻き肩をすくめて
身をまろくたたずむ鶉
何ものか遠く見つめて
見すゑたる瞳をこらす
空とほし
ものの音はなし
朝日かげいよいよ高し
從五位下土佐の何がし
色ふりし遊印一顆
繪は絹にくんじてすがし
われはこれ旅人なれば
路千里ゆくへも知らず
ゆくりなき主じがすすむ
座につきぬ
おしなべて
世は
秋風の裡
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