間人斷章
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パイプ
宇宙は誰のパイプだらう
去年の春は灰となり
今年の春に火がともる
宇宙は誰のパイプだらう
日暮れの海
何ごとの極みにあるか
こは日暮れの海
波ことごとく砂に絶え
某日
墨をする小さき池に
空青く花紅し
土用の海はもだせども
朝の聲まづ起る
昨夜茶鼎を其角と命ず
角私語
蝉急
松葉艸
松葉艸とてしろき花
花に對する人ににて
何を憂ひとするならむ
みなひと方にしなひたる
くさの實の
くさの實のかろきわた毛の
ふく風に高く飛びゆく
庭に出て陶に坐りて
われもまた遠きを思ふ
ひと日むなしく
ひと日むなしくすぐしたる
まことはこころいかれるよ
越路のはての山なみの
さみしく空にいかるごと
故をもて
故をもて旅に老い
故をもて家もなし
故をもて歌はあり
歌ふりて悔もなし
祕所
そはわがうたの祕所なれば
いかに
たふとからでやは
ながうらぎりも
花のたね
たまのうてなをきづくとも
けふのうれひをなにとせん
はかなけれどもくれなゐの
はなをたのみてまくたねや
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