池あり墓地あり

三好達治

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池あり 墓地あり 鶯なく 貧しく土はかわき 丘赤く 日は高し かくさくらの花の散る日にも 情感すでに枯れ 獸もののさまよふごとく わが影はみすぼらしく風に吹かれ 空想の帆かげ遠く沈みゆくを逐はんとす あてどなき小徑のはて かくあてどもなくわれの越えてゆく ものみな傾きし風景は いま春の晝餉どき しんかんとして海のこゑはるかに 藪かげに藪椿おつ ああわがかかる日の焦點はかなしく歪みたるに 池あり 墓地あり 鶯なく

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