菊
本文の表示
北川冬彦君に
花ばかりがこの世で私に美しい。
窓に腰かけてゐる私の、ふとある時の私の純潔。
私の膝。私の手足。(飛行機が林を越える。)
――それから私の秘密。
秘密の花弁につつまれたあるひと時の私の純潔。
私の上を雲が流れる。私は楽しい。私は悲しくない。
しかしまた、やがて悲しみが私に帰つてくるだらう。
私には私の悲しみを防ぐすべがない。
私の悩みには理由がない。――それを私は知つてゐる。
花ばかりがこの世で私に美しい。
ログインすると、お気に入り登録や選集への追加ができます。
ログインすると、この作品に自分だけに見えるメモを残せます。
菊の談話
疑問や連想、ちょっとした読み方などを気軽に話せます。
まだ投稿はありません。
菊に寄せられた作品
詩から生まれた翻案・イラストや、朗読・解説などの関連リンクを持ち寄れます。
まだ投稿はありません。
批評・感想 0
作品から読み取ったことや、自分の中に生まれた感覚をまとまった文章で残す場所です。
まだ解釈・感想はありません。
ログインすると解釈・感想を書けます。