桐花四章

三好達治

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門を出て 門を出て數歩の石に 青薄ひともと生ひぬ こぞありしひともと薄 常なきは人の世にこそ 春たけて 春たけて去りし海どり 雪ふらばまた歸りこん 濱松に波のうねうね 虚しきか日は高しらす 蜑女の焚く 蜑女の焚く煙ひとすぢ 彼方にもここにもたちて 隣り家に桐の花咲く この日ごろわが庭は茄子 丘のべに 丘のべに桐の花咲け 未だ爐もふたがでありぬ パイプ古り主じも古りぬ 世にさかる心にあらね

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