MEMOIRE
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秋風に姉が喪くなつた。長い竹箸にその白骨がまた毀れた。竃は煖かつた。あたりには、また秋風がめぐつてゐた。私は子供の頬を舐めた。私は旅に出た。もう恋人からは、稀れな手紙も来なくなつてゐた。海は澄んでゐた。空も青かつた。私は海岸を歩き廻つた。その頃、アリストテレスを読んでゐた。沖に軍艦が泊つてゐた。夕方喇叭が聞えた。また灯が点つた。山上に祭礼があつた。私は稲田の間を遠く歩いて行つた。林間の、古い長い石階を上つた。それは高い山だつた。私は酒を酌んだ。
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