庭(『測量船』収録・同題第3篇)
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槐の蔭の教へられた場所へ、私は草の上からぐさりと鶴嘴をたたきこんだ。それから、五分もすると、たやすく私は掘りあてた、私は土まみれの髑髏を掘り出したのである。私は池へ行つてそれを洗つた。私の不注意からできた顳顬の上の疵を、さつきの鶴嘴の手応へを私は後悔してゐた。部屋に帰つて、私はそれをベッドの下に置いた。
午後、私は雉を射ちに谿へ行つた。還つて見ると、ベッドの脚に水が流れてゐた。私のとりあげた重い玩具の、まだ濡れてゐる眼窩や顳顬の疵に、小さな赤蟻がいそがしく見え隠れしてゐる、それは淡い褐色の、不思議に優雅な城のやうであつた。
母から手紙が来た。私はそれに返事を書いた。
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